「きさらぎ駅」という駅を知っていますか?テレビ番組などで取り上げられたこともあり、知っている人も多い都市伝説の1つかと思います。
そんな都市伝説の「きさらぎ駅」が、2022年6月3日に映画が公開されます。映画のあらすじや、そもそも「きさらぎ駅」とはどういう都市伝説なのか?モデルとなった静岡県の遠州鉄道など深掘りしましたので、最後までお付き合いください。
きさらぎ駅とは?
「きさらぎ駅」は、2004年にインターネット掲示板2チャンネルのある書き込みによって広まるようになりました。この書き込みをしたのが「はすみ」という人物です。
2004年1月8日の深夜
「気のせいかも知れませんがよろしいですか?」
「新浜松駅を出発してから電車の様子がおかしい」
このような書き込みから始まり、いつも乗っている電車がなかなか駅に停まらないとスレッド内でリアルタイムで呟いていきます。
「いつも使っている電車が、20分くらい駅に停まりません。いつもは長くても7~8分で停車するのですが停まりません」
「乗り間違えたのかもしれません」
「普段トンネルなどないのに、トンネルを通り、出てから速度が落ちました」
「乗ったのは23時40分の電車です」
このように状況が明らかになっていき、スレッド参加者が場所の特定をしていきます。ちなみに静岡県内の私鉄(遠州鉄道)には全線トンネルはありません。
そしてトンネルを抜けて到着した駅は「きさらぎ駅」と書かれた駅だったのです。
「はすみ」はこの駅で電車を降ります。駅には時刻表もなく、次の駅名が書かかれたものもありません。駅周辺に家もなく、タクシーも止まっていませんでした。
そこではすみは、「きさらぎ駅」から線路を歩いて帰ることにしました。
遠くからは鈴や太鼓の音が聞こえてきます。すると後ろの方から「線路の上は危ないから歩いちゃだめだよ」と声をかけられます。
声の方を振り向くと片足の老人がいて、すぐに消えてしまいます。
警察に携帯電話で助けを求めるも取り合ってもらえず、太鼓の音のほうへ進んでいきます。途中「伊佐賀トンネル」と書かれたトンネルを抜けます。
トンネルを抜けた先に人がいて、その方の車に乗せてもらうことになります。
「親切な方で近くの駅まで車で送ってくれる事になりました。」
「場所を聞いたら比奈だというのですが、絶対にありえないことだと思うのですが。」
比奈は、静岡県富士市に実在する地名です。
車は山のほうへ進んでいき、車に乗せてくれた運転手は次第に無口になり、ついには無言になります。そして訳のわからない独り言を話し始めます。
恐怖を感じたはすみは
「隙を見て逃げようと思っている」
「(携帯の)バッテリーがピンチです。これで最後にします」
この投稿を最後に消息が途絶えます。
気になるポイント
・最初の書き込みがあったのが、「23:14」で、乗った電車は「23:40発」
・新浜松駅を出た電車は1分程で次の駅に着く
・全列車各駅停車の電車のみしか運航していなので、乗り間違えはない
・携帯で家に電話をかけて、両親と話している
・「きさらぎ」と書いて「鬼」と読める
・トンネルに入るときに「葉純が無事トンネル出たらまた書き込みます」と、一人称が変化している
・太鼓の音がどんどん近づいてくる
・トンネルの先にいた人(時刻03:10)
・「葉純がお化けに間違われてしまうかもしれませんね」とまた一人称が変わる
「きさらぎ駅」は遠州鉄道の「さぎの宮駅」
浜松市東区の遠州鉄道「さぎの宮駅」がモチーフになったとされています。
遠州鉄道が1月、きさらぎ駅行きのレプリカ切符のセットを限定販売するも1時間で完売していしまいます。
10年以上前の書き込みが、今なお話題なのは、アニメやゲームでも取り上げられているからでもあります。
関連作品
主人公の2人の女性が、ネット上で怪談として語らえている“裏世界”を探索していく物語りです。単行本が発売された当初、きさらぎ駅の舞台とされる遠州鉄道では、車内広告が貼られていました。
きさらぎ駅のモデルとなった「さぎの宮駅」とコラボし、駅構内にはシンカリオンのパネルなどが飾られました。
「きさらぎ駅」には続きがあった?
最初の書き込みがあった7年後の2011年6月30日、2ちゃんねるとは別のサイト「都市伝説…奇憚…blog」に「はすみ」と名乗る人物が、「今、普通の世界に戻れました」と書き込みをしています。
7年後にあらわれた「はすみ」
車に乗せられたあと、隙を見て逃げようとしていた「はすみ」、そして運転手は森の中に車を止めます。別の方向から男性が近づいてきた瞬間、車に衝撃は走り運転手は消えてしまいます。
その男性に光の方へ逃げるようにいわれ、光の方へひたすら歩いていったといいます。
まぶしくなって目を開けると、そこは最寄り駅で両親が車から呼んでいました。
この7年間の記憶は「はすみ」には全くないと言います…。
この人物は本当に「はすみ」だったのか?
なぜ2ちゃんねるではなく、別のサイトに書き込みしたのかネット上では話題となりました。
パラレルワールド!?
はすみはパラレルワールドにいたのではないかと思われます。
パラレルワールドとは…ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界。「並行世界」「異世界」ともいう。
パラレルワールドでは、現在私たちのいる世界とは別の時間が流れている。
都市伝説で話される、時空のおじさんという人がいる。呼び方は様々ですが、よく話に出てきます。
「はすみ」に逃げるように言ったのは、このおじさんなのではないでしょうか?
はすみが電車に乗り、パラレルワールドに迷い込んだとしたのなら、全ての話が繋がります。
またはすみが元の世界に戻ってこられたのには理由があるかもしらません。
・黄泉戸喫(よもつへぐい)…異界で出された食べ物を食べたら、自分が元いた世界には戻れなくなる
・名前や場所を忘れない
・声をかけてられても答えない、振り向かない
・何かを燃やす
パラレルワールドのように異世界から戻る方法に、上記のようなことがあげられます。
伊佐貫(いさぬき)トンネル
おそらくこのトンネルが、この世と異世界を隔てているのではないでしょうか?
イザナギノミコトもイザナミを連れて、黄泉比良坂(よもつひらさか)と言う洞窟のような場所を通ります。
きさらぎ駅は現実の駅ではなく「黄泉の国」の一部と考えられます。
こうして神話と紐づいていくことも、「きさらぎ駅」の魅力の一つなのかもしれません。
映画【きさらぎ駅】あらすじ・キャスト
<あらすじ>
民俗学を学ぶ恒松祐里さん演じる春奈は、都市伝説の「きさらぎ駅」を題材に卒論を書くことにします。
調査をしていると、「はすみ」ではないかと思われる人物(佐藤江梨子さん演じる順子)にたどり着きます。
メールのやりとりから実際に会う約束をし、信じがたい話を聞くことになります。
話を聞いた後、実際に「きさらぎ駅」の舞台となった駅に向かいます。
<キャスト>
主人公・堤春奈を演じるのは、恒松祐里。
きさらぎ駅にいったと噂される女性を、佐藤江梨子。
きさらぎ駅で出会った女子高生を、本田望結。
監督はネット都市伝説をもとにした映画化で定評のある永江二朗。
<口コミ>
FPS手法(一人称視点)で
自分が異世界にいるような
体験ができる
ホラー映画苦手だけど
どんどん見たくなる
恒松祐里さんが
ホラーでも演技派